仕事やプライベートなどが多忙で、規則的な生活を送るのが難しい人もいるでしょう。不規則な生活習慣、日々のストレスは薄毛の原因となり抜け毛を促進させます。抜け毛を予防するためには、事前に薄毛の原因を理解して生活習慣を整えることが大切です。
それでは薄毛の原因となる生活習慣とはどのようなものでしょうか。改善方法と一緒にご紹介します。
そもそも抜け毛の原因とは
薄毛になる原因は「ホルモンバランスの乱れ」「栄養の偏り」「頭皮環境」の3つが考えられます。
1つ目のホルモンバランスの乱れは、更年期以降の女性にあらわれやすい症状です。更年期を迎えて女性ホルモンの分泌量が減ってくると、女性ホルモンよりも男性ホルモンが有利となってしまいます。男性ホルモンの1種にテストステロンがあり、5αリダクターゼと反応することで、ジヒドロテストステロン(DHT)に変化します。DHTは男性のAGAの原因といわれていて、発毛を阻害し、抜け毛を促進させると考えられています。
2つ目の栄養の偏りは、不摂生な食事を続けていることで起こります。髪の毛を作るには、たんぱく質や亜鉛、鉄などの栄養素が必要です。しかし、ダイエットや不規則な食生活でバランスの良い食事がとれていないと、摂取する栄養も偏るため、髪を構成する成分を摂取できず、健康な髪をつくることができません。髪が痩せると、抜けやすくなってしまい薄毛が進行します。
3つ目の頭皮環境は、頭皮環境です。髪は頭皮から生えてくるものなので、頭皮が不健康な状態だと抜け毛が増えて薄毛に繋がってしまいます。また、頭皮にフケや皮脂が多いと、細菌が繁殖してしまいます。さらに悪化すると、炎症や吹き出物がでてしまい、髪の毛を育てにくい環境になります。皮膚トラブルは毛穴にも影響をあたえ、健康な髪の毛が作られるヘアサイクルを阻害します。結果として抜け毛が増えてしまうのです。
これら3つの理由は、生活環境の悪化によって引き起こされることが多いため、生活環境を整えて原因を無くすことが抜け毛予防には大切です。
こんな人は要注意?抜け毛症状を起こりしすい生活習慣とその改善方法とは
具体的にはどのような生活習慣が、抜け毛を促進する環境を作っているのでしょうか。
女性は、キレイな髪にするためにカラーリングやパーマをする人が多くいます。しかし、カラー液やパーマ液は髪や頭皮に刺激を与え、炎症を起こす場合もあります。
また、間違ったシャンプーを行っても頭皮や髪の毛にダメージを与えてしまいます。1日に何回もシャンプーを行うことや、頭皮を強くこする洗髪方法ですと、頭皮を傷つけてしまいます。洗髪は1日1回優しく行い、カラーリングやパーマも肌に刺激の少ないモノを使用するのが良いでしょう。
頭皮や髪の毛を回復させるためには、バランスの良い食事や、適切な睡眠も必要です。生活が乱れると、髪の育成や頭皮が健康な状態を維持できなくなります。タバコや過剰な飲酒も、頭皮への栄養供給を阻害する可能性があるので控えたほうが良いでしょう。さらに、適度な運動も必要です。理想としては、1日3食バランスの良い食事をし、22時ごろ就寝し8時間程度の睡眠時間を確保すること。そして、適度な運動を心がけるのが良いでしょう。
薄毛を改善するためには、髪のケア方法に気を付けることや、食事・睡眠などの生活習慣を見直すこと以外に、ストレスを軽減させることも大切です。ストレスの解消ができていないと身体に異常をきたし、女性でも男性ホルモンが過剰分泌したり、血液の循環が悪くなり髪の毛に十分な栄養を届けられなくなったりすることがあります。
全てを初めから完璧に行うのは難しいので、改善できるところから見直していきましょう。
簡単にできる頭皮マッサージ!本当に薄毛に効果的?
健康な頭皮を育てるためには頭皮マッサージやツボ押し、リンパマッサージが有効です。頭皮を適度に刺激することで、血行を促進して栄養を毛母細胞に届けることができます。効果的なマッサージを行うには、どうすれば良いのでしょうか。
頭皮マッサージは、頭皮を傷つけないよう指の腹を使って行ないます。まず頭皮全体をもみほぐし、前髪の生え際から頭頂部に向かい、優しく押すように動かしていきます。次にサイドの生え際から頭頂部へ向かい、優しく押すように動かしましょう。最後に、首の付け根を親指で押しながら、他の指で頭頂部に向けてマッサージをして完了です。マッサージの強さは痛くならないように気を付け、時間がある時に数分行うと良いでしょう。
マッサージの際、ツボ押しも同時に行なうと効率よく薄毛予防ができます。頭頂部には百会と呼ばれるツボがあります。百会は全ての神経につながっていると考えられており、自律神経を整える作用があるといわれています。位置は左右の耳の穴に親指を入れ、手の平で頭部を包むようにしたとき、頭頂部で中指が合わさる部分です。マッサージの際は、このツボも指で押して刺激するようにしましょう。
リンパは耳の周りから首筋、鎖骨とわきの下辺りにあります。リンパマッサージは、リンパがある部位を指や手の平を使い、気持ちいい力加減でマッサージを行います。リンパの流れを良くすることで、老廃物の除去促進が期待できるでしょう。つまり、適度な頭皮マッサージを行うと、薄毛を予防し、健康な髪の毛が育つ身体作りをサポートできるのです。
浴びすぎると危険?日光と薄毛の意外な関係とは
外に出るときに、肌へのダメージを気にして紫外線予防をしている人はいますが、髪の毛にまでは気が回らないものです。
日光を浴びる事自体は身体に良いことで、体内リズムや自律神経の調整には必要です。適度な日光浴は髪の毛にも良い作用をもたらします。
しかし、日光の浴び過ぎは薄毛を促進する可能性があります。肌が過度に日焼けをすると、赤くなり炎症を引き起こします。頭皮も同様で、紫外線を浴び過ぎると頭皮がダメージを受け、炎症を起こします。炎症が起きることで、抜け毛や薄毛につながってしまうのです。
十分な量の髪があれば、分け目以外の頭皮が露出することはないので、紫外線の影響は受けにくいといえるでしょう。しかし実は、頭皮だけでなく髪の毛にも紫外線によるダメージは蓄積されます。髪の毛が傷つくと、切れ毛が増えて毛量が減少し、徐々に健康な髪の毛が失われてしまう可能性があります。毛量が減少すると頭皮の露出が増えて、紫外線のダメージをうけやすくなってしまう…という悪循環が生まれます。
可能であれば、紫外線が強いといわれる10時から14時、中でも11時~12時の間は外出を控えることが理想的です。外出時する際は帽子をかぶることで、薄毛の原因となる紫外線のダメージを軽減することができます。日傘をさせば、さらに効果をあげることができるでしょう。
外出が避けられず紫外線を多く浴びてしまった場合は、髪の毛のケアを忘れてはいけません。ダメージを受けた頭皮や髪は、しっかりシャンプーで汚れを洗い流し、トリートメントをしてダメージをリカバリーするようにしましょう。
日光と髪や頭皮の関係を把握しておくことも、薄毛対策の一つです。肌と同じように、髪や頭皮もUV対策を行うようにしましょう。
目の疲労と薄毛の意外な関係とは
目の疲労と薄毛の関係性を知っている人は少ないのではないでしょうか。実はこの二つの部位では、どちらもある栄養素が重要な役目を果たしています。その栄養素は主に2つあり、ビタミンB群とL-シスチンです。
ビタミンB群は身体で働くあらゆる酵素の補酵素として働いています。代謝ビタミンとも呼ばれており、エネルギーを作るために必要な栄養素です。ビタミンB群のなかでも、肌や髪を健康に保つ働きを持つパントテン酸や、薄毛や白髪の予防作用があるビオチンが重要です。
L-シスチンは髪や肌、爪を健康に保ったり、老化や病気から身体を守ったりする作用があります。そもそも髪の毛は、18種類のアミノ酸が結合したたんぱく質でできています。アミノ酸のL-シスチンは、健康な髪に必要な栄養素です。
目が疲れていないときは、髪の毛と目の両方に必要な分だけ栄養素が送られ、それぞれの機能を整えてくれます。しかし目が疲れると、髪の毛の成長に必要な2つの栄養素が、目を回復するために使われてしまいます。結果として目の疲れは、髪に必要な栄養を奪い、健康な髪の毛の生成を阻害しているのです。
目の疲労を自覚するには、いくつかの症状を把握しておく必要があります。例えば、眼がショボショボしたり、モノがぼやけて見えたりしたら、疲労がたまっている可能性があります。さらにヒドくなると、肩こりや頭痛、吐き気を及ぼしてしまい、髪だけでなく日常生活にも支障をきたします。
薄毛が気になる女性は、髪の毛に十分な栄養を届けるためにも、目の疲労を和らげることが大切です。目の疲労を軽減させるためのポイントをいくつかご紹介します。
目の疲労を軽減させる生活習慣とは
パソコンやスマートフォン(スマホ)が一般に広く普及し、何時間も画面を見ているという人も少なくないでしょう。また、テレビが好きで長時間見続けてしまうこともあるはずです。しかし、そのような生活習慣を送っていると、目の疲労が蓄積されてしまい抜け毛を促進させてしまう可能性があります。目の疲労を軽減させるには、生活習慣の改善や対策が必要です。
生活習慣の改善には、スマホやパソコンの使用時間を少なくすることから始めてみましょう。また、目の疲れを回復させるために、十分な睡眠を取ったり、バランスの良い食事をとったりして、生活習慣を改善することが求められます。
仕事などで長時間パソコンやスマホを使う場合は、疲れを和らげるために、1時間ごとに10分から15分程度の休憩をとりましょう。目の疲れをとるために、目の周りをマッサージしたり、身体をストレッチすることで血行が促進され早期の疲労回復が期待できます。
目の疲れがヒドい場合は、サプリメントや目の疲労回復をサポートしてくれる食材を食べるのもおすすめです。例えば、アントシアニンやルテインといったサプリメントは、目の疲労をとる作用があるといわれています。食材では、DHAやEPAが多く含まれるマグロやイワシ等の青魚や、眼精疲労に作用するアントシアニンが含まれているブルーベリーなども良いでしょう。
目の疲労をためないように心がけ、髪の毛に栄養が行き届くような、体質改善を行いましょう。
抜け毛予防のために見直すべき生活習慣まとめ
抜け毛は1つの要因で起こるものではありません。予防するには、自分の生活を見直し、抜け毛の原因が潜んでいないかセルフチェックすることが大切です。原因が特定できれば、対策をとることができます。
しかし、仕事やプライベートが忙しく、どうしても理想の生活習慣に改善することが難しい人も多いでしょう。また、スマホやパソコンでの連絡が当たり前になっているため、目の疲労を完全になくすのは厳しくなっています。
普段から行える対策として、髪や目の疲れに作用するサプリメントを服用したり、簡単にできるマッサージを覚えておくと良いでしょう。薄毛対策や目の疲れの癒し方を覚えておくことで、抜け毛のリスクを抑えることが期待できます。
生活習慣をできるところから改善し、対策を講じながら抜け毛や薄毛を予防していきましょう。